【ネタバレ】地球外少年少女を3倍楽しめるための前提知識!その2。あんしんはなんで重力ON/OFFできる?
昨日に引き続き前提知識として持っておきたいSF知識の素養です。セブンの考察中心となりましたが、まだまだ解説足りないところがたくさんあることに気づきました。
登矢と大洋はどこへ落ちたのか?スタンフォードトーラス型スペースコロニー
登矢が那沙に「危ない」と注意されながら、布の壁のパイプを落ちていくシーンがありました。最初は無重力でしたが、だんだん加速していったシーンはなんだったのでしょうか?
まずはあんしんがなぜドーナツ型なのか考えてみましょう。このドーナツ型はスタンフォードトーラス型スペースコロニーです。この仕組みを見てみましょう。
ドーナツ型のチューブをぐるぐる回して、遠心力を働かせて重力の代わりにしています。
一番外側のドーナツ部分が1Gの加速度がかかる速度で回転していると、中心はほぼ無重力状態になります。
外側に行くほど半径が大きくなります。円周率は約3.14なので、中心から2m離れれば直径3.28m、4m離れれば6.56m、8m離れれば13.12mと離れれば離れるほど長くなります。中心にいても外側にいても、あんしんが回る速さは一定なので、外側に行けば行くほど横向きのスピードは速くなります。
登矢が大洋に「同時に壁を蹴ろ」と言っていたシーンを覚えていますか?二人は遠心力で、どんどん外側に落ちて行っています。外側に落ちると横向きのスピードが速くなるので、横から壁が迫ってきます。この迫ってきた壁を蹴ってたんですね。
そして壁を蹴ると、さらに横向きにスピードが上がり、遠心力がさらに強くなります。最終的には1Gの加速度がかかるので、地球でビルから飛び降りるのと同じ状態になります。
登矢はこのトーラス型の特性をよく知っているので、中心に近い遠心力が軽いうちは落下しても安全だと知っています。エレベーターで降りるより、ゆっくり落ちるという宇宙ならではのムーブを楽しもうとしていたんですね。一方大洋は宇宙に慣れておらず、どこまで行ったら危険かわかっていません。なので危険な速度になるまで気づきませんでした。
リハビリをさぼり1Gでよろめいてしまうほど体力のない登矢が、大洋を片手でつかんで支えられたのは、まださほど危険なスピードになる前に壁をつかんだからでしょう。
EVAで車いすに乗れているのも、どこかに落ちそうになっているのも、遠心力が原因です。
レーザー通信
これは現代でも実用化されている技術です。家庭用のインターネット回線では光ケーブルを使っています。この光ケーブルの中で、レーザーを使って通信しています。
レーザーは光なので、ケーブルは繋がなくても通信できます。しかしレーザーは直進しかしない性質を持っています。直接目視できる場所同士なら、ケーブルがなくても通信できます。
もし見えないところ同士で通信したいなら、鏡で反射させなければ曲げることができません。光ケーブルは中が全面鏡張りのような性質を持っているので、ある程度曲げてもレーザーが届くようにできています。
ピアコム
ピアコムについては細かい説明はありませんでしたが、このレーザー通信のような技術を使って、ピアツーピアで通信しているもののようです。ピアツーピアとは、端末同士で通信することで、ドローンとドローンで通信するようなことです。